ガトーマンケ

失敗から生まれた逸品お菓子と料理

失敗から生まれたお菓子・料理シリーズです。

ガトーマンケは、丸型や四角い形をした底が浅いマンケ型というケーキ型で作るスフレに配合の近い、別立てのシフォンケーキのようなスポンジケーキのことです。
デコレーションは、特にせず、プレーンな焼き菓子に粉糖がかかっているだけのシンプルな感じのケーキ。

1842年、パリのブーランジェリー&パティスリー「メゾン・フェリックス」で、評判となっていたこのケーキですが、なんという名前なのか、店員に訪ねると、「このケーキは、ガトーマンケ(出来損ないのケーキ)です。という答えが返ってきたらしいです。

フランス語で、ガトーは、ケーキ。マンケは、失敗や不足という意味です。
なぜ、ガトーマンケが出来損ないのケーキなのかというと…

店の厨房で、シェフが、ふわふわの※1ビスキュイ・ド・サヴォワを作っていた時のことです。
卵白を泡立ててメレンゲを作っていたときに、誤って油分が混入し、泡立ちが悪くなり、失敗してしまいました。

そこでシェフは、生地をどうにか捨てずに使えないかと、急いでさらにバターと洋酒を加えて円いケーキ型で焼いてみることにしました。
食感は、やや重たくなったものの、バターのコクと洋酒の薫りが立つ美味しいケーキが出来上がって、店に出してみたところ、たちまち評判になって、それが広まり、現代でもさまざまな店で作られるという今日に至るというわけです。

これって、今のジェノワーズにも似てるような気がしますが、それよりは重いのでやっぱりふわふわの焼き菓子なのでしょう。そうするとシフォンケーキなのかなというと、それよりもやはり少し重くコシも香りもコクもある。やっぱり思いがけず、失敗からできた『ガトーマンケ』なのでしょう。

※1 ビスキュイ・ド・サヴォワ
フランス サヴォワ地方の郷土菓子。外側がさっくりと香ばしく、ふんわりと軽い食感の素朴な生地の焼き菓子

※失敗から生まれた料理・お菓子の逸品の記事の内容で、ご紹介しておりますエピソードは、諸説あります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました